ペーパークラフト講座基本篇
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このコーナーでは、これからペーパークラフトにチャレンジしようという方のために、基本的な知識やテクニックをご紹介します。中には門外不出の裏ワザに相当する部分もありますが、ペーパークラフトの普及のためには情報の提供を惜しみません。ハサミの使い方に始まり、今後どんどん記事が追加されていくので、全部集めればペーパークラフトの入門書が完成することになります。 |
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折り紙や和紙細工のように、薄い紙を折るのは簡単ですが、ペーパークラフトによく使用される洋紙の厚紙をきれいに折るのには、面倒ですが折れ線にスジを引くハーフカット(スジ引き)という作業が不可欠です。 その理由は先にも言ったとおり、薄い紙の方が厚い紙より折りやすいので、紙の折り線の部分だけ厚みを減らす(削る)ことによって、確実にきれいな折り目で紙を折ることができるからです。印刷物の場合、折り線の部分にミシン目が入っていたり、折れ線の部分がプレス(圧縮)されていたりしますが、これも、折れ線の部分の紙を弱めて、そこで折りやすくするためです。 さて、ハーフカットに使用する道具ですが、ハサミやカッターのように具体的でわかりやすい道具というものがありません。要は、先が尖って硬いものなら何でもよいのです。例をあげればコンパスやディバイダの針、鉄筆、千枚通し、目打ち、アイスピック、牛乳の蓋開け、錐、釘、インクの出なくなったボールペン、編み棒、レース針、バーベキューの串、ペーパーナイフなどです。鉛筆のように握って使える形のものが適しています。 これらの道具を使って折れ線を強くなぞり、スジ(みぞ)をつけるのがハーフカットです。ここで、注意しなければならないのは、力を入れすぎて紙を貫通してしまっては元も子もないので、力の加減に気をつけることです。特に、定規を使って直線のスジを引くときには思った以上に力が入っているので要注意です。 また、針の先が鋭すぎたり、先端の加工が荒いと、紙の表面に引っかかってケバ立ってしまい、スムースなスジが引けません。そこで、他の用途との兼用を考えず、ハーフカット専用の道具として使うのなら、尖りすぎた針の先端はやすりなどでなめらかに削って成形しておくと便利です。 第5回 折るハーフカットでスジをつけたら、紙を折ってみましょう。紙の折り方には、180度折り返して二枚重ねにしてしまう場合と、直角など特定の角度をつけて立体化する場合があります。いずれの場合も、紙が元のように開いてしまわないように、折り目はきっちりときめる必要があります。角度をつけるだけの場合でも、一度ぺしゃんこに近いところまで折ってから、正しい角度まで戻すのがよいでしょう。特に、折れ線が曲線の場合には、元に戻りやすいですから、折り目の稜線に爪を立ててしごいたり、きつめに折ってから戻すなどして、紙が開かないようにします。一度こうしてくせをつけてしまえば、紙には形状記憶の性質がありますから、めったに元に戻らなくなります。 ところで紙を折る向きには、「山折り」と「谷折り」という2通りの折り方があります。既成のキットの場合ふつうは山折りを点線、谷折りを一点鎖線で表します。山折りは 折り目を凸型に折り、谷折りは凹型に折ります。名前の通りですね。 一般に谷折りより山折りの方が折りやすいです。折り目を見やすく、力を入れやすいこともあるしハーフカットが山折りに向いていることも、その理由です。そこで、谷折り線を折るときには、紙を裏に返して山折りとして折るという、文字通りの「裏技」もあります。 また、細い部分を折る場合ハーフカットを行うと、その部分の紙が弱くなってちぎれやすくなりますから、スジをつけずにピンセットではさんで曲げるという方法もあります。つまり、ペンチなどで針金を曲げるのと同じやり方です。ただ、この場合も折り目がくっきり出るように、折れ線の位置にピンセットのふちを当てて紙をはさみ、紙の裏から爪でこすって折り目をはっきり出します。 ピンセットはこの他にも細かい部品を扱ったり、指の入らない奥まった部分で作業したり、接着箇所が定着するまではさんで保持するなど、ペーパークラフトを作る上で欠かせない道具ですから、使いやすいものを選びましょう。 ペーパークラフトというと繊細なイメージがありますから、それに使うピンセットも細長いものが適しているように考えがちですが、実際には短いものの方が使いやすいです。というのは、紙のように薄いものを保持するにはピンセットを強く押さえなくてはならず、大きなピンセットでは指が疲れるからです。また、上級者になってきたら用途によってまっすぐなものや首の曲がったものなどを使い分けるとよいでしょう。 第6回 曲げる 曲げるという言葉の意味には、前回の「折る」という行為も含まれますが、ここでは折り目をつけずに曲面を作ることを「曲げる」と定義します。 第7回 接着剤 一般のペーパークラフトのみならずワンシートクラフトでも、台紙に接着するときなどに、接着剤は必要不可欠です。ペーパークラフトの場合、よく使われるのは木工用ボンドです。具体的には、水溶性で白く、乾燥すると透明になるタイプです。有機溶剤の場合は、紙にしみこんで跡が残るので適していません。 |
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